104 – 衆 – 予算委員会 – 7号
昭和61年02月10日

松浦利尚委員 ここに私は健政連関係書類を持ってきておるのです。これはジャパンライフがつくった健康政治連盟のファイルです。それで、この山口さんという人はこのジャパンライフというものを常に会合の中で何と言っておったか。あのジェッカーで私がやられたのは政治家と結びつきがなかったからだ、だから健康政治連盟をつくって金を出せ、十万、五万、三万ずつ出しなさい、こう言って、演説を打って歩いた人なんですよ。それで、この健康産業政治連盟の届け出、これは自治省に出ておると思うのでありますが、この中にジャパンライフの関係者が専任理事として五名出ておる。会長は山口隆祥であります。ですから、健康政治連盟と関係ないと、こう言われるけれども、この健康政治連盟というのはまさしくジャパンライフの政治団体、しかもこのライフサイエンス振興財団というのも、これも自分の商売を、人狩りを有利にするためにつくり出した振興財団なんです。総理大臣は御存じないと言われたけれども、実質的にはそうなんですね。
安倍外務大臣、これは書いてあるからしようがないですね。ここに五十九年度の事業報告がたっと書いてあるのです、五十九年一月一日から十二月三十一日まで。その中に前山口労働大臣、それから安倍外務大臣、それと山口隆祥会長とともにニューヨークを九月の二十二日に表敬訪問をしておると書いてある。これは事実ですか。そういうこと御記憶ですか、外務大臣。

安倍晋太郎国務大臣 それは山口代議士がたくさんの人と一緒に、ちょうど私が国連に行っておったときに紹介といいますか表敬に連れてきたことは、確かにその中に今の山口隆祥氏ですか、おられたことは事実です。

○松浦委員 ちょうど外務大臣が国連総会に御出席、滞米中だと思うのですね。利用されたのか、それはわかりませんけれども、このジャパンライフというのは、実は健康政治連盟あるいは財団法人のライフサイエンス振興財団、こういったところをうまくミックスさせて人狩りというのですか、要するに品物を売るんではなくて、人を組織的に集めてマルチ的にずっと資金を吸収していくという仕組みなんですね。
そしてもう一つあるんです。それはヘルスカウンセラー協会という任意団体を実はつくっておるのです。これは実は強制的に加入をさせられまして、日本ヘルスカウンセラー協会互助会というものに全部入るんです、会員が全部これに。そうすると、ここで使っておりますバッジですね、常任理事の人たちが使うバッジというのは国会議員と全く同じバッジなんですね。幸いなことに衆議院じゃなくて参議院なんですよ。(「幸いか」と呼ぶ者あり)いや幸いは幸いですよ。いや青い、紫色のバッジなんです。参議院の色と似ておるのです。それで、私の秘書が三回この総会に入ったわけです。そうしたらあなた、わからないな、参議院議員の顔を見たことがないがなと思って、私はここへ持ってきたのですが、どこか途中でなくしてしまったのですけれども、それは余り問題ではありませんが、ここはそういうふうに政治家を利用する、何か千葉県では――浜田先生には済みませんが、千葉県では県会議員のバッジが担保に入った、何か最近はそんなふうに要するに政治家というものに対する信用の度合いというのは非常に高いんですね。ですから盛んに政治家を利用する。
そこで、ここでこれが実は売り歩いておるジャパンライフの冊子なんですね。これを今一々政治家の皆さん方の名前を申し上げると大変恐縮ですが、これを見ていただいたらだれが載っておるかすぐわかる。通産省の役人も載っていますよ。通産省の役人の方は、事前に私は通産当局には注意をしておきました。ここに政治家が記載されておる。大臣が書いてある。寄稿している、大臣が。私は、恐らく大臣の寄稿とかなんとかというのは、これは頼まれたから書いたということだと思うんです。しかし、その大臣のこういう寄稿が、あるいは国会議員の発言というものが全部こういうふうに使われるんですね。通産の役人も載っていますよ。余り見せると本人には悪いでしょうから。ここにも参議院議員の人が載っていますよ。あるいは「経営者月報」というのがありますね。これにはいろいろな大物の政治家がずらっと出ていますよ。大変失礼ですけれども、委員長さんも利用されましたですね。委員長さんの写真が載っているんだ。
ですから、このジャパンライフというのをずっと見てまいりますと、極めて巧妙に国民の心理をうまくついて、そして巻き上げていく。今、大変に苦しんでおります、みんな。私は政治家というもののモラルが今問われておるんじゃないか。頼まれたから書く。しかも、中曽根さんには大変申しわけないけれども、中曽根さんが科学技術庁長官だったときの事務次官がこの振興財団の理事長にさせられておるのですね。私はそういった意味で、政治家というものがもっともっと、こうしたことを安易にすることがどれほどまじめな国民に影響を与えるか真剣に考えなければいかぬと思うのです。一人一人の名前を指摘してもいいのだけれども、そういう時間がないから私はやめたんです。総理大臣の見解を承りたいと思います。